■ 結びの省略
結びの省略……結びの語が省略されて、係助詞が文の終わりにくる。
(例) 所狭きこと多くなむ。<窮屈なことが多いことである。>
※ 結びの「ある」が省略されている。
■ 結びの消滅
結びの消滅(流れ)……結びとなるはずの語に接続助詞などが付いて文が続き、結びの形にならない。
(例) たとひ耳鼻こそ切れ失すとも…<たとえ耳や鼻が切れてなくなったとしても…>
※ 接続助詞が付いて文が続くので、結びが消滅している。
■ 結びの省略
結びの省略……結びの語が省略されて、係助詞が文の終わりにくる。
(例) 所狭きこと多くなむ。<窮屈なことが多いことである。>
※ 結びの「ある」が省略されている。
■ 結びの消滅
結びの消滅(流れ)……結びとなるはずの語に接続助詞などが付いて文が続き、結びの形にならない。
(例) たとひ耳鼻こそ切れ失すとも…<たとえ耳や鼻が切れてなくなったとしても…>
※ 接続助詞が付いて文が続くので、結びが消滅している。
文中に係助詞があるときは、結びの語が文末にくるのが原則です(係り結びの法則)。
しかし、結びの語が省略されて、係助詞が文の終わりにくる場合もあります。これを結びの省略といいます。
結びの省略の場合には、どのような語が省略されているのかを考えたうえで、それを補って訳します。
なかなか世に抜け出でぬる人の御あたりは、所狭きこと多くなむ。(源氏)
<…窮屈なことが多いことである。>
※ 係助詞「なむ」のすぐ後に、結びの「ある」が省略されていると考えることができます。
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次のように、特定の形では、補うべき結びの語が決まっています。
・「に」+係助詞→「あり」「あらむ」「ありけむ」の連体形または已然形
(例)「~にや。」→「あらむ(ありけむ)」を補う。
(例)「~にこそ。」→「あれ(あらめ・ありけめ)」を補う。
・「と」+「ぞ・なむ」→「言ふ」「思ふ」などを補う。
(例)「~とぞ。」→「言ふ」などを補う。
係助詞を受ける語は、連体形または已然形で結ぶのが原則です。
しかし、結びとなるはずの語に接続助詞などが付いて文が続き、結びの形にならない場合があります。これを結びの消滅(結びの流れ)といいます。
たとひ耳鼻こそ切れ失すとも、命ばかりはなどか生きざらむ。(徒然)
<たとえ耳や鼻が切れてなくなったとしても、命だけはどうして助からないことがあるだろうか、いや助かるだろう。>
※ 係助詞「こそ」があるので、本来なら已然形の「切れ失すれ」で結びます。しかし、それに接続助詞「とも」が付いて文が続いているために、結びが消滅して(流れて)います。
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