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「らむ」は、推量の助動詞です。「む」（未来推量）や「けむ」（過去推量）と違って、現在の事柄についての推量を表します。

(1)　現在推量

現在推量は、自分の目の前にない﹅﹅﹅﹅﹅﹅事柄について現在そうなっているであろうと推量することです。＜今ごろ～ているだろう＞と訳します。

(2)　現在の原因推量

現在の原因推量は、目の前にある現在の事実についてその原因・理由を推量することです。これには、二つの場合があります。

一つは、原因・理由が示されていない場合であって、＜どうして～ているのだろう＞と訳します。「など」「いかに」などの疑問語と合わせて用いられます。

もう一つは、原因・理由が示されている場合であって、＜～からであろう＞などと訳します。

(3)　現在の伝聞・婉曲えんきょく

伝聞は、現在の事柄を他人から伝え聞いたこととして述べることで、＜～という＞などと訳します。

婉曲は、断定をさけて遠回しに言うことです。一般的な訳し方は＜～ような＞ですが、無理に訳さないこともあります。

伝聞・婉曲の「らむ」は、連体形になります。連体形は、直後に名詞がくるか、または名詞を補うことができます。

「らむ（らん）」は、動詞の四段活用と同じ活用をします（四段型）。ただし、未然形・連用形・命令形はありません。➡動詞(2)四段活用

【表】「らむ」の活用表

「らむ」は、中世（鎌倉時代）から、「らん」と表記されるようになります。

「らむ」は、活用語の終止形に付きます。

ただし、ラ変型活用語に付く場合は、その終止形ではなく、連体形に付きます。

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